勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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707: ◆QKyDtVSKJoDf[saga]
2017/11/03(金) 20:08:39.57 ID:uAQKxthS0
――――長い時間が過ぎた。
あれから、夜の帳が下りてなお戦士の話は尽きず、結局、戦士が一度話を区切りとしたのは実に15回目の太陽が昇った時だった。
戦士は樹皮をほぐして得た繊維を編み込んで作った簡易的な服を身にまとっていた。
永遠に近い時間を旅してきた彼女だ。こういった生活のノウハウはもうすっかりと身についている。
光の精霊『ありがとう。実に面白い話だった』
戦士「どういたしまして。私もいい頭のリハビリになったよ」
光の精霊『それで、これからまた旅に出るというのか? それだけの苦難を経験しながらも、なお諦めずに?』
戦士「まあ、折角目を覚ましたからな。また飽きるまで、しばらく頑張ってみるさ」
戦士「それに、希望が全くないというわけでもない。これだけ自然に満ちた世界だ。どこかに何かとんでもないパワースポットみたいなものが出来ているかもしれないじゃないか」
光の精霊『確かに、我ら精霊の力は今が最盛と言っても過言ではないが……ふむ。いいだろう。本来、我らのようなものが人間にここまで肩入れすることなどあり得ないのだがね』
戦士「ん?」
光の精霊『興味深い話を聞かせてもらった礼だ。何か願いをひとつ言いたまえ、戦士』
光の精霊『それが如何なる願いであったとしても――――私は、その願いを叶えよう』
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