勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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284:名無しNIPPER[saga]
2016/06/26(日) 19:32:09.79 ID:Trw4ei5x0
戦士「はあっ!?」

 魔界の荒野に戦士の叫びが響き渡った。

戦士「本気なのか!?」

勇者「ああ、本気だ。心は入れ替えたけど、行動方針は変えない」

勇者「俺はこれから町に戻り、親父から情報を収集して―――大魔王に挑む」

勇者「勿論、死ぬつもりは毛頭ない。現状の力ではまだ打倒できないと分かれば、ちゃんと撤退するよ」

戦士「ど、どうしてそんな……『伝説の勇者』様ですら打倒を諦めたような相手だぞ? もうそんなこと誰も強要しない。勿論、私だって……なのに、どうして」

勇者「これは責任なんだ。曲がりなりにも今まで『伝説の勇者の息子』として生きてきた俺の責任」

勇者「『伝説の勇者』がハリボテだったと分かったからって、その息子としてすべきことを放り出すわけにはいかない。俺は、『伝説の勇者の息子』を全うする」

勇者「それが……『あの二人』を否定した俺の責任なんだ」

戦士「………それほどまでに決意が固いのなら、私は止めないよ」

勇者「勿論、戦士はついてくる必要は」

戦士「くだらないことを言うなよ? 勇者」

勇者「笑顔が怖い」

戦士「当然私も行く。生きるも死ぬも、お前と一緒だ」

勇者「………ありがとう。戦士のおかげで、もう一度親父に会う勇気も湧いてくるよ」




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