勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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283:名無しNIPPER[saga]
2016/06/26(日) 19:31:20.49 ID:Trw4ei5x0
勇者「は、ははは……」
勇者の口から、笑みが零れた。
勇者「ははは! あははははは!!」
戦士「む。笑うなよ。私は真剣に……」
勇者「ははは……ごめんごめん。もう、自分の単純さ加減が可笑しくってしょうがなくてさ」
勇者「ついさっきまで、全部の事に絶望して、何もかもどうでも良くなって、死んでもいいとすら思っていたのに……戦士に告白されて、そんなもんが全部吹っ飛んじまった」
勇者「それこそ、さっきまでの絶望なんて、なんかもうどうでも良くなっちまってさ。それで、つい笑っちゃったんだ。単純すぎてアホの域ですわこんなん」
戦士「勇者…! それじゃあ…!!」
勇者「ああ。悪かった。もう死ぬなんて言わないよ」
戦士「勇者!!」
感極まった戦士は思わず勇者を思い切り抱きしめた。
勇者「わぷっ! はは、それに、こんな可愛い恋人が出来たんだ。死ねないって、そりゃ」
戦士「はえ?」
一瞬勇者の言葉に固まった戦士は、ぼん!と頭から湯気を出すと瞬く間に顔を真っ赤に染めた。
そして勇者の体をどーん!と突き飛ばした。
勇者「え、ええぇ〜…?」
戦士「こ、こここ恋人とか! は、恥ずかしいこと、言うな! ばか!!」
勇者「ええ…? じゃあ違うの?」
戦士「ち、違わないけど!! よ、よろしくお願いしますだけど!! でもぉ!!」
勇者(う〜む……まさか戦士に対してこの言葉を使う日がくるとは……)
勇者はしみじみと感じ入り、心の中で叫んだ。
勇者(きゃわわ!! 戦士たんきゃわわ!!!!)
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