勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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207:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:11:24.37 ID:niX7BoNT0
話を終え、武道家と連れ立って玄関に向かう勇者の背中にかけられる声があった。
僧侶「あら? 勇者様、もうお帰りになってしまうのですか?」
声をかけてきたのは武道家と晴れて夫婦の関係となった僧侶だ。
僧侶のお腹はもうエプロン越しにも分かるくらいに大きく膨らんでいる。
勇者「ああ、色々と準備を進めなきゃいけなくてさ。また今度時間見つけてゆっくりしに来るよ」
僧侶「世界が平和になっても、勇者様はお忙しいのですね。何のお手伝いも出来ないこの身が歯がゆいですわ」
武道家「………」
僧侶「どうしたの、あなた? 何だかとても不機嫌な表情」
武道家「……なんでもない。少し部屋で頭を冷やしてくる」
そう言って武道家は自室に戻っていった。
僧侶「…? 一体何の話をしていたんです?」
勇者「な〜に、くだらない話さ。なあ、僧侶ちゃん」
僧侶「はい、なんでしょう?」
小首を傾げる僧侶に、勇者はにっこりと笑ってみせる。
勇者「元気な赤ちゃんを産んで、絶対に幸せになってくれよな。君はさっき俺の手伝いが出来なくて歯がゆいと言ってくれたけど、そんな事は全然思わなくていいんだ」
勇者「そんな事より、俺達が頑張って平和にしたこの世界で、君や、武道家や、勿論戦士も…みんなが幸せになってくれた方が、俺は百倍嬉しいんだからさ」
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