勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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206:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:10:25.49 ID:niX7BoNT0
勇者が魔界行きを決意した、その夜――――とある別れの記憶。
武道家「魔界に行く、だと……!?」
勇者「ああ」
武道家「馬鹿な…! お前は行くつもりは無いと前に散々…!」
勇者「気が変わったんだよ」
武道家「ならば、俺も一緒に…!」
勇者「駄目だ。あんな状態の僧侶ちゃんをほっぽり出していくっつうのか? そんなもん許さねえぜ、俺は」
武道家「く…! どうして、隠していた……お前が最初からそのつもりだったと知っていたら、俺は……」
勇者「だからだよ。今回魔界に行くのは世界の為とか、誰かの為とか、そんなんじゃない。完全に俺のわがままなんだ。それに、誰かを付き合わせるわけにはいかなかった」
武道家「友達だろうが、俺達は…! くそ…! 余計な気を使いやがって…! 友が死地に向かうのに何もできない歯がゆさがわかるか!? そちらの方が、余程酷だ…!!」
勇者「……悪いな。ただまあ、そんなに心配するほどの事はないさ。目的はあくまで親父の安否の確認だ。何も命を賭して大魔王と決戦しようってんじゃない」
武道家「……必ず帰って来いよ。帰ってこなかったら、ぶん殴ってやるからな」
勇者「またベタな矛盾を……予定日、二か月後だっけ? それまでには必ず帰ってくるよ」
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