ほむら「幸せに満ち足りた、世界」2.5(まど☆マギ×禁書)
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9:幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc[saga]
2016/01/03(日) 13:05:10.64 ID:FQv2s0UF0

「これって………この店ですよね?」
「ああ、学生時代からの常連さんだ。
今でも時々弾いていく」

恭介は、自分が知っているのよりもずっと若い、
恭介とは畑違いであるが好感を持っている
女性ジャズヴァイオリニストの写真を眺めてからケースを開く。

「………いいですか?」
「ああ、カナちゃんの紹介だからね」

恭介がケースからヴァイオリンを取り出し、弓を弾く。
高価なものではないが、
十分に手入れされ弾き込まれている、温かで好感が持てる出来だ。

その時、ぱち、ぱち、ぱち、と、店の客から拍手が起きる。
恭介がその気配を追うと共に、
いつの間にかレコードは止まり、その代わりに生のピアノ演奏が店内を席巻する。
演奏者は奏遥香、恭介と初めて会った時、最初に弾いていた曲、ではあるが、

「驚いた?」

そう、恭介に声をかけたのは奏可奈多だった。

「あの娘、外ではあの曲ちょっと女の子っぽく弾くでしょう。
だけど、本当はこの方が好きだし得意なの」

そして、それは恭介もそうなのかも知れない。
スタンダードで、男性的な程に挑む様な力強さ。
遥香の演奏は力一杯恭介の感性に迫って来る。

「昔はちょっと引き気味だったんだけど、
あれで結構負けん気強いからね。
それを御するってなると大変だよ。
だが、それがいい」

腕組みしてうんうん頷く可奈多の言葉そのままに、
ぐいぐい引き付ける激しくも艶やかな演奏はあっと言う間に過ぎていく。


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