加賀「提督……あなたのスタンドは……この世の何よりも優しいスタンド」
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◆rVyvhOy5r192
[saga]
2016/04/16(土) 23:53:37.28 ID:fEYujdtkO
「わ、私は…………その、別にねーさま一筋だから提督はどうでもいいですが……あくまでも興味として……」
誰に対してか、というか目の前にいる大井に対して、今さらながら取り繕う山城。
何の言い訳か。
かなり強く病んでいる風でいながら、表面的には思い出した風に虚勢を張るタイプだった。めんどくさいタイプだった。
頬を掻く大井は――――それに対して、
「……自然を装って提督に抱き着く、抱き着くのよ大井! そうよね北上さん!」
やはり小声で拳をグッと握り締める。
もう一人の、向けるべき好意の対象――北上――がいない分、大井は妙に前向きにオープンになっている。
北上がいる手前、或いは提督へと懐疑的な態度を長く続けてしまったならその手前――恥ずかしくて表には出さないが――。
北上はここにおらず、仗助へと強く当たった時間は殆どなかった。
故に――
(肝だめし……ええ、肝だめしよ! 肝だめし!)
大井には、好意を取り繕って誤魔化すという発想はなかった。
あるのはただ、
(ここで提督の心に魚雷を撃ち込むのよ! どんな手を使っても、重雷装巡洋艦は頼りになると!)
勝利して、支配する――――ただそれのみ!
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