加賀「提督……あなたのスタンドは……この世の何よりも優しいスタンド」
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15: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2016/01/01(金) 23:35:29.06 ID:e3MAfn1io

 そんな獰猛な、艦娘二名は置いておこう。

 卯月が泣きついて、宥めすかして、怒って、泣き叫んで、懇願して漸く自分たちの行為が仲間を害する事(主にうーちゃんが脱臼する)と理解して貰えた。

 なので今は、髪を一房口に加えながら提督とその付近をにらみつけるだけで留まっている。

 かなり平和だろう。視界に納めなければもっと平和だ。うん、この海は静かで平和って事でいいんじゃないかな。きっと。

 そして、残る艦娘といえば――


「……加賀さん、どうしたっぴょん?」


 丁度地面から、掌ほどの飛行服の妖精を拾い上げていた。

 偵察にでも行かせていたのだろうか。

 それはちょっと約束と違う。三日分の昼飯のおかずで手を出すなと手を打ったんだから、違反ではないか。卯月は訝しんだ。


「……なんでもありません」


 だけど、声色はどことなく穏やかで――何かをやり遂げたかのように満足気。

 ほんの少し、頬が緩んでいるようなそんな表情を眺めて、卯月は結局指摘を取りやめた。


「さて、帰ります。提督の事なら、心配いりません」


 おまけにそんな言葉が飛び出して皆が鎮守府に戻るとなったときは、余計な事言わなくて本当によかった――と平坦な胸を撫で下ろした。



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