743: ◆Tw7kfjMAJk[sage saga]
2018/11/05(月) 06:52:01.67 ID:CW6dl2EU0
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未央「おお……! こ、これは……めちゃくちゃ意外なビジュアル!」
P「『丼』って感じじゃないな。まず皿が平たいし。白ごはんの上に具材が乗っている、ってぶんには丼と同じだが」
未央「鶏の照焼と卵に玉ねぎ。親子丼の鶏肉が照り焼きになっている感じだねー。つゆはないけど。でも、これはおいしそうな感じ……」
P「確かにな。……俺も一口もらっていいか? 完全に今まで見逃してたよ」
未央「いいよ。代わりにそなたのハヤシライスを献上したまえ」
P「もちろん。……いただきます」
未央「いただきまーす」
未央(でも、これはどうやって食べるかちょっと迷うなー。お箸? スプーン? 悩ましいところだけど……せっかくこういうお皿なんだし、スプーンで食べよう!)
未央(つやのある鶏肉と卵が食欲をそそるね。卵はとろとろ……ってほどじゃないけど、そんなに固まっているわけでもなくて。ぷるぷる? ともちょっと違うかな。やっぱりとろとろがいちばん近いかも)
未央(そこそこおっきく切られている鶏肉と卵、それから玉ねぎ、ごはんをすくって……ぱくり)
未央「……ん!」
未央(んー! これは! おいしい! 見たまんまの味なんだけど、見たまんまおいしい!)
未央(やっぱり照り焼きっておいしいよね。もう『照り焼き』って調理法からしておいしいのが約束されている気がする。甘辛いタレにジューシーな鶏肉。卵と玉ねぎが絡んで、そこに白ごはんですよ。間違いなくおいしいもんね)
未央(照り焼きのタレはどちらかと言うと甘さのほうが強い。弾力のある鶏肉の身は噛みしめると脂が染み出してきて、卵がそんな強い味たちを包みこんで、さらにごはんがクッションに。玉ねぎの食感も楽しくて……あー、おいしい)
未央(飴色の鶏肉ちゃんと玉ねぎちゃん、黄金色の卵とつやつや美白のごはんといっしょに口の中で演奏会……みたいな。ハーモニー? って言うのはちょっとおしゃれすぎるかな。もっとこう、庶民的な……でも、これはちょっと自分ではつくれないかも。卵の感じが難しそう。調理法からして『勝ち』って感じの照り焼きと卵の組み合わせだけど、それをさらにプロの料理人がやっているんだもんね。これはもうめちゃくちゃおいしいに決まっているってわけですよ)
未央「プロデューサー、やっぱりこれ、おいしいよ。一口食べる?」
P「ん? ああ、もらおうかな」
未央「ん。それじゃ、あーん」
P「……ん」
未央「……どう?」
P「……うん、うまいな。かなりうまい。絶対にうまいだろって組み合わせなんだが、バランスが良い。これは……次に来たときは、頼むかもな」
未央「ふっふっふ。この数多くのメニューの中からこれを選び出す私……天才かな?」
P「否定しにくい」
未央「それで、だよ。プロデューサー。私も私も」
P「ん? ああ、そうか。ほれ」
未央「ん。あーん」
P「はいはい。あーん」
未央「……ん、おいしい。ハヤシライスってカレーに比べると食べる機会が少ない気もするけど、おいしい料理だよね。ビーフシチューとかとはまた違った感じで、よりごはんに合うようにつくられているって言うか」
P「でも、味はなかなか説明しにくい感じなんだよな……コクと苦味? でも、苦味も嫌な苦味ってわけじゃないんだよな。トマトソースがいっしょに入っていて、甘酸っぱさもあって……ドミグラスソースのあの香り、甘みと酸味、それから深みのあるコクがいっしょになった複雑な味。これがおいしいんだよなぁ」
未央「ここのはあんまり苦味は強くないね。甘みと旨味が強い感じ? でもコクはあって……ぱくぱく食べられちゃいそう。スプーンが進む味だね」
P「ああ。高級感のあるホテルの味って感じのも好きだけど、こういうのもやっぱりうまい。一口一口じっくり味わうのもいいけど、勢いよく食べるのはやっぱり気持ちいいからな」
未央「ちゃんとゆっくり噛んで食べなよ? まあ、気持ちはわからなくもないけど」
P「わかってるわかってる。……あー、うまい」
未央「もー……。ん、おいしい」
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