492: ◆Tw7kfjMAJk[saga]
2016/12/01(木) 00:16:29.90 ID:2RSVv31G0
そうして未央がすべての返信を終え、一息ついたところで。
「じゃ、帰るか」
プロデューサーが言った。「へ?」と未央から声が漏れる。
「……プロデューサー、仕事、もうないの?」
「ん? まあ、そうだな」
「……じゃあ、どうして、こんな時間まで残ってたの?」
「それはまあ、未央の誕生日をいちばんにいわ――」
プロデューサーが固まった。
そんなプロデューサーを見て、未央は「あれあれ〜?」と意地悪な笑みを浮かべ始める。
「プロデューサーくん、それはいけないことじゃないのかなー? アイドルの誕生日をいちばんに祝いたいなんて理由で、アイドルをこんな時間まで事務所にいさせるなんて、ダメなことなんじゃないかなー?」
「……ついさっき、終わったところなんだよ」
「ほんとかなー?」
「……本当だ」
もちろん、未央はプロデューサーを疑ってなんていなかった。ついさっきまで仕事をしていたのは本当だろう。ただ、あと少しで自分の誕生日だったから、それまでは……と思っただけで。
それは未央にとってもありがたかったし、とてもとても嬉しいことだった。
自分だけではなく、プロデューサーもそう思ってくれていた。
それが嬉しくて嬉しくて……だからこそ、未央はプロデューサーのことをからかったのだ。
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