97:名無しNIPPER[saga]
2016/01/30(土) 22:45:41.97 ID:ZYZlVptYo
自宅の最寄り駅で俺は麻衣と二人でいつもの電車を待った。
「今日も弁当作ってねえの?」
「うん。最近夜忙しいから準備できなくて」
「まあ、おまえにばっか負担かけてきたわけだからしょうがねえよ」
「ごめんね」
「別に学食とか購買のパンでも問題ねえし」
「お兄ちゃん、偏食だからな。本当はあたしのお弁当で栄養管理したいんだけどなあ」
「別に肉ばっか食ってるわけじゃないぞ」
「口では何とでも言えるしね。いっそお姉ちゃんに頼んじゃうか」
「頼むって何を?」
「しばらくお兄ちゃんのお弁当作ってくれないって」
「ば、ばか。よせ、絶対にそんなこと幼馴染に言うんじゃねえぞ」
今の有希なら本当に作りかねない。
「冗談だって。そんな図々しいこと本当に頼むわけないじゃん」
「それならいいけど」
「あ」
「どうした?」
二見が駅の隅にいた。
「今日もいるね」
「うん、いるな」
妹は黙ってしまった。
「お姉ちゃんおはよう」
「麻衣ちゃんおはよ。今日も可愛いね」
「ありがとお姉ちゃん」
「麻人もおはよう・・・・・・って、どうしたのその顔?」
「おはよ。別にどうもしてねえよ」
やっぱり有希は、今日も夕也とは別行動なのか。
「酷い顔でしょ」
「うん。寝不足?」
「ちょっとな」
「お姉ちゃんお姉ちゃん」
麻衣が有希の耳に口を寄せた。内緒話をしている風だけど、声がでかいせいで何を言っ
ているのか全部聞こえている。
「どしたの? 麻衣ちゃん」
「今お兄ちゃんは悩んでるの。わかるでしょ?」
「あ」
「もう。当事者のお姉ちゃんが気が付いてあげなくてどうするの」
「ごめん。そうか、そうだよね」
「もう寝不足には突っ込まないであげて」
「うん、わかった」
何でわざとらしく声をひそめているのか。全部聞こえてるっつうの。それに、本当はそ
のことで悩んだんじゃない。頭の中に女の太腿の画像がこびりついていたせいなのだ。
あいつは今夜もやるのだろうか。女神行為を。
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