女神
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74:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/09(土) 00:16:40.14 ID:wFKv96Wio

「この時間の電車って空いてるよね」

俺たちは空いている席に隣り合って座った。

「まあ、仕事帰りの人で混む前だし部活の連中はこんなに早く帰らないしね」

「そういや一年生の時から池山君って部活してなかったよね」

「よく知ってるな。一年のときはクラス違ったのに」

「うん。あたしは一年生の時から遠山さんと同じクラスだったから」

「有希と同じクラスだったからって、俺のこと知ってる理由にはならねえだろ。俺、一年
の時は三組だぞ」

「遠山さんとか広橋君とか見てれば君の動向なんかリアルタイムで入ってきたし。あの頃
は三人で一緒に帰ってたじゃない? 君たち」

「おまえって、ストーカーなの」

「そんなことはないと思うけど」

 思うけどって何だ。ちゃんと否定しろ。半ば冗談で言った言葉なのに。

「まあ、夕也と知り合ったのは有希の紹介だったけどな。俺、一年のときはあいつらとク
ラス違ってたし」

 俺がそのことに嫉妬心と焦燥感を覚えていたことは、こいつに言う必要はない。

「あの頃から変ってないよね、君たち。まあ、今は妹さんが入学して君たち三人の中に加
わったくらいで」

「まあね」

「ちょっとだけうらやましいな」

「はあ?」

「何か正しい青春みたいじゃん、君たちの関係ってさ」

「おまえ、何言ってるの?」

「男二人と女二人でいつも一緒に行動してるんでしょ。見かけ上は仲良く見える四人の間
には、その実どろどろした愛情が渦巻いて」

「それのどこが正しいんだよ。つうか女性週刊誌とか読み過ぎなんじゃねえの?」

「ああいうのは一度も読んだことないけど」

「だいたい、そのうちの一人は実の妹だってえの。そんなどろどろ成り立つかよ」

「そうかな」

「そうかなって、何で」

「さっき君、妹さんに会いたいとか妹さんに慰めてもらいたいって感じの表情してたよ」

 エスパーかよ、こいつ。


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