70:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:19:19.58 ID:V/baVpaao
その後、生徒会室から石井会長が出てきてどこかに行ってしまい、有希は生徒会室に残
ったままだった。俺、今日有希に告白されたんだよな?
でも、先輩が夕也の名前を出した時、有希はそれを否定しなかった。先輩なんかどうで
もいいと思っているからいちいち訂正しなかったのかもしれない。あるいは訂正なんかす
る間もなく先輩が去っていってしまったのかも。それでも、何だかわからないけど俺には
再びもやもやする気持ちが残った。さっきまで有希の気持ちだけは間違いないと思ってい
たのに。
情けないけど妹に会いたいかった。いつもはうざい妹だけど、今日はあいつに甘えて慰
めてもらいたい。考えてみれば利害とかなく無条件で俺の味方をしてくれて無条件で俺を
慰めてくれる女なんて麻衣くらいしかいないのだ。麻衣にはいつも俺への依存を何とかし
ろって言ってるくせに、俺が妹に依存してどうする。今日はもう家に帰ろう。そう思って
校舎の外に出たとき、二見が俺を見て微笑んでいた。
「池山君」
「二見さん。まだいたんだ」
「今帰るの? 最寄り駅一緒だしよかったら」
こいつも神出鬼没だな。俺はそう思った。
「ああ。駅まで一緒に帰ろうか」
「君にそう言ってくれると嬉しい」
「うん」
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