68:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:15:19.70 ID:V/baVpaao
「おまえ、本当に変ってんのな。しつこいようだけどさ、こんだけ人と話そうと思えば話
せるならクラスで友だちなんかいくらでも作れるだろうが」
「別に不便感じてないもん」
「よくわかんねえけど」
「池山君、結局遠山さんのお弁当食べなかったの?」
「ああ」
「お腹空いてるでしょ」
「まあ」
実際、それは事実だった。
「まだ十五分くらいあるし、よかったらこれどうぞ」
「何? サンドイッチ?」
「コンビニのね。手作りのお弁当には敵わないけどお腹ぐらい塞がるんじゃない?」
「いいの?」
「うん。余ったやつだし捨てるよりいいし。食べて」
微笑むと本当に可愛い。まじでどっかのアイドルみたいだ。こんなときのに俺は二見の
整った顔や親しみやすい笑顔を浮かべている表情に見とれた。だからどうってことはない
んだけど。俺は言い訳がましく思った。
「じゃ、遠慮なく」
「どうぞ」
放課後、とにかく夕也を捕まえてあいつの本心を質そうと思った俺は、有希にも二見に
も構わずに校内を捜索した。幸か不幸か、今日は麻衣との約束もない。
もう帰っちまったのか。少なくとも二年の校舎の中にはいないみたいだ。このまま校内
をうろうろしてても見つかる気がしない。しかたがない。本当は偶然を装って夕也と接触
したかったけど、ここまできたら携帯で呼び出そう。LINEでもいい。
そう思った俺が、スマホを取り出そうとしたとき、有希の声が聞こえた。今は有希とは
顔を合わせたくない。俺はその教室の前から離れ、階段の方に避難した。そう言えばここ
は生徒会室だ。有希は誰かと話してるようだった。
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