416:名無しNIPPER[saga]
2017/01/31(火) 23:12:28.86 ID:ooGZg3gbo
自分でも何でだかわからないけど、なんだかすごく屈辱のような感情を彼女に対して抱
いた。全く自分でも説明がつかない衝動にかられたあたしは、その日のうちに会長に告白
しようと考えた。考えてみれば悩むような話じゃない。今まで、あたしは自分から告白し
て断られたことは一度もないのだ。いくら多少可愛いからといって、ぼっちで変人の二見
さんなんかに負けるわけがない。一時期は会長に浮気させてしまうことになるけど、それ
は正々堂々と二見さんに謝ろう。あたしと会長と二人で頭を下げて。それは生徒会室でた
またま二人になったときのことだった。あたしは、会長の名前を呼び彼を見上げた。
「てきぱきと生徒会の役員に指示する先輩は、大人びていて素敵です」
あたしの顔はどういうわけか真っ赤になっていたようだ。そして、あたしの告白とそれ
を断った会長のことは、たまたまドアの前にいた生徒会役員を通じて、校内に広まってし
まった。生徒会の副会長が会長に告って振られたみたいだって。
初めて自分から告った男の子に振られたうえに、そのことを噂されたあたしは当然なが
ら落ち込んだ。落ち込んだのだけど、自分でも不思議なことに諦めがつくのも早かったよ
うだ。確かにあたしは自信過剰ではあった。今思えば、不思議だけど彼女もちの男に自信
満々に言い寄ったのだから。周囲の生徒会の役員の子たちはあたしの失恋を知って、どう
いうわけかそれまで以上にあたしに親近感を覚えてくれたようだった。会長には振られた
けど、役員の子たちの誘いも増えて、あたしは名実ともにこの学校のエリートである生徒
会の一員として認められたのだとこれまで以上に実感することができて、そのことがあた
しの慰めとなった。
「じゃあ、唯。先にファミレス行ってるからね」
「早く来いよ、唯」
生徒会の子たちにそう言われたあたしは、先生に頼まれたプリントを持って職員室に向
かった。早く済ませて彼女たちと合流しよう。職員室で先生にプリントを渡すと、その女
の先生は優しくお礼を言ってくれた。そういう待遇にも今ではあたしも慣れてきていた。
「早く帰りなさいね」
「はーい」
職員室から近道をするために中庭を抜けていくと、木陰の方から会長と二見さんの話声
が聞こえてきた。正直、聞きたくない。急いで中庭を出ようとしたとき、聞きたくもない
会話が耳に入ってきた。
「先輩、なんであの子の告白断ったの?」
「僕は、君のことが好きだからね。副会長と付き合うなんて考えられないよ」
忘れかけていた悲しみや屈辱が胸の奥から少しづつ染み出すようだった。でも、これは
仕方がない。二人が付き合っていることを承知のうえで、あたしは会長に告ったのだ。仲
のいい恋人同士に、あたしの告白を会話のネタにされるくらいのことは我慢しなきゃ。
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