女神
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415:名無しNIPPER[saga]
2017/01/31(火) 23:11:46.58 ID:ooGZg3gbo

 こうして余計なお節介をしたお姉ちゃんとはなし崩しに仲直りはできたのだけど、あた
しの決心は変らなかった。たかが中学生の恋愛に聖域も触れてはいけない関係もあるもの
か。このとき、あたしは反対するお姉ちゃんに相当反発していただと思う。あたしを心配
してくれているお姉ちゃんを悪く思うのはやめにはしたけれど、それでも自分の決心を翻
すことはない。

 あたしはそう考えて予定どおり翌日には生徒会長を誘惑する決意を固めたのだ。

それに、その頃のあたしはまた、自分の考え方が以前と違ってきていることにも気がつ
いていた。打算はある。会長と付き合おうと考えている理由の一番は、ステータスを得る
という打算なことは間違いない。どれだけ自分勝手なあたしでも、そこをはき違えてきれ
いごとを言う気はなかった。だけど。

 愛は盲目というけど、これこそまさにそうかもしれない。この間までのあたしなら、生
徒会入りする前のあたしなら、会長が自分の恋愛対象になるなんて考えたこともなかった
だろう。あたしは最初、自分も将来のことを考え、ステータスを求めているんだと思って
いた。本気で会長を好きなったわけはないと。でも、それなら何で二見さんのことがむか
つくのか。あんな女に負けると考えることが嫌なのか。それとも。

 好きになるということには、実はそれほど当たり前の常識とかなくて、意外性に満ち溢
れているのだろうか。あたしは、改めて自分の胸の奥底を探ってみた。そうして、思いつ
いた答えは自分でもすごく意外だった。あたしは、ステータスとか、先生からよく思われ
るとかそういう理由で生徒会にいたのだけど、会長のことはどうもそうではないみたい。

 あたしは、あの冴えない会長を好きになってしまっているのだ。

 何でだろう。

 あたしは考えてみた。仮にあたしが打算からではなく会長を好きになったとしたとした
ら、その理由は何なのだろう。よくみかける会長の姿が思い浮かんだ。大体は、生徒会室
で仕事をしているか、図書室で二見さんと一緒にいるかどちらかだ。容姿、人気、運動神
経、明るい性格、好成績。今までのあたしが男を選ぶ基準の中で、会長が当てはまるのは、
成績と、まあ、あえて言えばある種の人たちから人気があるということか。

 ・・・・・・結局、考えてもよくわからなかった。もう寝よう。そして明日は、もう少し会長
とお話してみよう。あたしはベッドに入りもそもそと姿勢を整えて眠りについた。その日
は、なかなか寝付くことができなかったけど。

 翌日、教室で二見さんを見かけた。同級生だからあたりまえだけど。相変わらず友達と
群れずに、一人で何か本を読んでいる。認めたくないけど、彼女の容姿は整っているので、
やはりちらちらと彼女を密かに眺めている男子もいる。隠しているつもりでも、そういう
のって意外と周囲にばれるものなのだ。二見さんは男子の視線を感じているのだろうか。
それは不明だけど、少なくとも感じていたとしても彼女がそのことに全く動じていないこ
とは確かみたいだった。そういう風にふるまっているだけかもしれないけど。

 そのとき、ふと二見さんが本から顔を上げたため彼女の視線があたしに向けられた。そ
の瞬間、どういうわけか思わずあたしは二見さんから視線を逸らせてしまったのだ。我に
返ったあたしが再び二見さんの方を見ると、彼女はもう本に目を落としていた。その様子
には全く動揺した様子は見受けられなかった。


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