390:名無しNIPPER[saga]
2016/11/02(水) 21:52:31.21 ID:P+eNXBC9o
しばらくはもう、会長から連絡をもらえないかもしれないと私は覚悟していた。あの愛
情と独占欲の強い麻衣ちゃんと奇跡的に仲直りした会長は、麻衣ちゃんと一緒にいる方を
選ぶに違いない。そう思っていた私だけど、麻人と別れて自宅に帰ったあたりで会長から
携帯に連絡があった。翌日の日曜日に、私と会いたいと言う。麻衣ちゃんは大丈夫なのか
なと思ったけれども、それは大きなお世話だろう。会長がそれでいいと言うなら望むとこ
ろだった。私は翌日、日曜日の学校の校内に向かった。
校外で会うことは、いくら麻衣ちゃんが会長を許して仲直りしたとしても、会長にとっ
てはハードルが高かったのだろう。本来は活動が許されていない日曜日に、私は生徒会室
に向かった。校舎に入って生徒会室のドアを開けると、会長が既に中央のテーブルの前の
椅子に腰かけていた。
「おはようございます」
「おはよう、遠山さん。来てくれてありがとう」
「いえ。会長は大丈夫なんですか」
「大丈夫って?」
麻衣ちゃんとのことに決まっている。
「・・・・・・麻衣のことなら、多分」
「そうですか」
それならよかったのだろう。私が麻衣ちゃんに嫌われる事態は回避されたのだろうし。
「それで、きのうの話の続きなんだけど」
「はい」
先輩は、麻衣ちゃんとの仲直りをもって、この話を終わらせる気持ちはないみたいだっ
た。
「何かわかったんですよね」
私はあまり期待しないでそう言った。
「変な話だけど、まるで自分のルーツ探しみたいな? というか、今でも混乱している
よ。昨日の麻衣との仲直りとかが、あまり気にならないほど」
「はあ」
先輩が麻衣ちゃんとの仲直りが気にならない? そんなわけはない。私が見る限り生徒
会長は麻衣ちゃんに夢中になっているはずなのに。
「僕にとってはすごく変な話で混乱しているんだけど」
「どういうことですか」
「中学時代の知り合いの女の子、一年下の子なんだけど」
「ええ」
「前に悩み相談に応えてあげた子なんだけど」
「はい」
「彼女から聞いたんだ。僕が高校に合格して母校に報告に行った日のことを」
「前に言ってた、二見さんが先輩に黙って転校したことですか」
「ああ」
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