383:名無しNIPPER[saga]
2016/10/12(水) 23:46:16.16 ID:am0+7R9Jo
結局、私は結局苦しい言い訳を続けた。
「先輩から聞いたんだけど、麻衣ちゃん、副会長先輩と先輩のことで喧嘩したでしょ」
「それ以来先輩は生徒会長室に入り辛くなってるのよ」
「あと土日は校内で準備が禁止されてるしさ」
「本当にそれだけだから。私は先輩とは生徒会の役員同士っていうだけだよ」
「そうですよね? 先輩」
苦しい言い訳を終え最後に会長に念押しをした。
会長はようやく顔を上げて麻衣ちゃんを見た。その表情がすごく真剣だったから、私は
一瞬会長が全てを彼女に告白するのではないかと思ってどきっとした。
でも会長は真実は告白するわけでもなく、また私の嘘に同調するでもなく黙って麻衣ち
ゃんを見つめていた。
すると奇妙なことにあれだけ激昂していた麻衣ちゃんの表情が次第に和らいでいった。
「前にも言ったとおり僕は君なんかに愛される資格もないと思うけど、君と付き合うことが
できて本当に幸せだった」
もう会長は目を逸らさず麻衣ちゃんの方を見つめて言った。私なんかには目もくれず、
同じく麻人のことさえ気にせずに。
麻衣ちゃんも、もう私たちを気にすることなくただ会長の言うことを耳を傾けているよ
うだった。
「いろいろ君にはまだ話していないこともあるのは事実だよ。それは誓っていずれは君に
全て話すよ」
「先輩」
麻衣ちゃんの声音が和らいだ。
「本当に僕には君しかいないんだ。頼むから僕を信じてほしい。遠山さんは単なる生徒会
の役員仲間というだけだよ」
・・・・・・それは私にとっては随分失礼な言葉だったけど、麻衣ちゃんはようやく会長を信
じる気になったようだった。そして一度その気になると、麻衣ちゃんの目にはもう私や麻
人のことなんか目に入らないようだった。
「先輩、ごめんなさい」
麻衣ちゃんは彼女と会長の間にいた私を無理にどかすようにして会長に抱きついた。
「先輩のこと疑ってごめんなさい。大好きよ」
泣きじゃくる麻衣ちゃんを会長は抱き寄せた。いつも冷静な会長ももう私のことは眼中
にないようだった。
何とか二人を仲直りさせることができた。でも会長が言いかけた夕也と副会長姉妹のこ
とはもう今日は聞くことはできないだろう。
その時になって、私は店内の好奇の視線がずっと私たちに向けられていたことに気がつ
いた。そして麻人はその視線に気がついていたようだった。
「とにかく二人きりにしてやった方がよさそうだな。行こうぜ有希」
ようやくいろいろと理解し始めたらしい麻人が私に言った。そして、どういうわけかは
麻人は当然のように私の手を引いて店の外に向って歩き出した。
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