370:名無しNIPPER[saga]
2016/09/27(火) 00:12:18.21 ID:JF3eK7aYo
「少し落ち着いて考えれば確かなんだけど、僕が匿名で鈴木先生に優の女神行為を知
らせた、それで、彼女は翌日登校しなかった。それでいいんだよね」
「そうです。その後、麻人は二見さんと連絡が取れなくなり、やがて裏サイトに」
「うん」
会長が戸惑ったように言った。
「それがそもそもおかしいよね」
「おかしいって?」
「僕自身が裏サイトに書き込みした犯人ならともかく、そんなにタイミングよく事が運ぶ
なんてさ。僕は麻衣も含めて誰にも学校に通報したことなんか話していないのに」
私は思わず突っ込んだ。
「先輩自身が犯人でなければ、ですよね」
先輩がかつて自分を振ってあっさりと切り捨てた二見さんに復讐しようと考えていたな
ら。
「うん。こればかりは証明するすべはないけど、僕は本当にそこまでしていないしする気
もなかった。そこまですれば麻衣の大切なお兄さんを追い込むことになる。彼女が悲しむ
のは僕の本意じゃない」
それは本当かも知れない。私は麻衣ちゃんと先輩が甘く寄り添って朝の部室棟から出て
きた姿を、麻人と二人で目撃したことを思い出した。
その時、再び私は立ち聞きしたあの二人の会話を思い出した。私はとっさに決心した。
先輩を頼ろう。それは賭けみたいなものだったけど、あの朝の先輩と麻衣ちゃんの仲のい
い様子には嘘はない。間違っているかもしれない。先輩がいい人である保証なんて何もな
い。でも、あたしは麻衣ちゃんを愛しているという会長を信じてみようと思ったのだ。麻
人のためにも、そして私のためにも。真実を知るためにも。
「先輩、実はあたしも知っていることがあるんです。これまで誰にも話せなかったんですけど」
「うん。話してみてくれるか」
「それを話したら・・・・・・先輩は私を助けてくれますか。真相が知りたいんです。麻人をこ
こまで苦しめることになった出来事の原因が」
会長は驚いたように私を見つめてしばらく黙ったいた。その沈黙は案外長く続いたのだ
った。私は会長の返事を待ちながら抜け殻のような麻人の姿や、私に麻人を託して去って
行った麻衣ちゃんの姿を思い浮かべていた。
「わかった、協力する」
会長は私を真っ直ぐ見て言った。
「僕の過去のことも関係があるかもしれないし、何より麻衣とは破局になるかもしれない
けど最初のメールを出したのは僕自身だし」
私はもう迷わず会長に言った。
「先輩が知らない事実が一つあります。副会長と夕也、広橋君って知ってましたよね?
その二人の会話を立ち聞きしちゃったんですけど」
私は会長に副会長と夕也の会話を明かした。
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