234:名無しNIPPER[saga]
2016/05/06(金) 22:39:13.88 ID:my8qAWPQo
いったいこの子は何を言おうとしているのだろう。そして何が目的で僕をかばっている
のだろう。僕は混乱していた。
「先輩があたしのことを好きだとしても、それはお姉ちゃんとは関係ない先輩の純粋な気
持ちでしょ。そのことを非難する資格が浅井先輩にあるんですか」
「・・・・・・あんたさあ。調子に乗ってるんじゃないわよ、ブラコンの癖に」
追い詰められた副会長はついにそれを口にした。でも、苦し紛れの反撃は相応に効果が
あったようで、麻衣はそれを聞いてこれまでの元気を失ったようにうつむいてしまった。
「・・・・・・それこそ、君には関係ないよな」
僕は思わず麻衣をかばって口走った。
「僕のことを責めるのはいいけど、それは麻衣のプライバシーの侵害だろ? ブラコンと
かって全然今までの話と関係ないじゃないか」
「この子のこと、もう麻衣って呼んでいるんだ」
一瞬まずかったかと思ったその時、僕は自分の腕に抱きついていた麻衣の手が更に力を
込めて僕にしがみつくようにしたのを感じた。視線を麻衣の方に逸らすと、今まで気丈に
振る舞っていた彼女は僕の方を潤んだ目で見つめていた。
麻衣が僕の援護に元気づけられたのかどうかはわからない。でも、ブラコンと決め付け
られて一瞬黙りこくってしまった彼女は再び副会長に向かって果敢に反撃した。
「とにかく、石井先輩が生徒会に出ないことと、先輩がお姉ちゃんに振られたこと、それ
に」
そこで妹はちょっと言いよどんだ。
「・・・・・・それとあたしと先輩の仲がいいことを一緒にしないでください。もし先輩とあた
しが恋人のように見えるとしたら、それは先輩じゃなくてあたしのせいですから」
それはどういう意味なんだ? 僕は再び混乱した。
「そんなことを言ってると、それこそ浅井先輩があたしに嫉妬してるようにしか見えない
ですよ」
麻衣は顔を赤くしたけど、きっぱりと最後まで言いたいことを話し続けたのだった。
「もういい。あたしはこれからはあんたのことには関らないから」
副会長はもう麻衣とは目を合わせず、僕に向かって捨て台詞のような言葉を吐き捨てて
去って行ったのだった。
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