女神
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198:名無しNIPPER[saga]
2016/04/17(日) 23:02:49.83 ID:GO5crQa4o

 ・・・・・・いったい池山さんは何を考えているのだろう。僕にはよくわからなかった。でも、
僕が今では彼女のことを気にしていることだけは確かなようだった。僕の当初の意図であ
った優のことを調べたいという目的に加えて、池山さんのことを知りたいという新たな目
的が僕にはできたのだった。僕は実は気が多いのかもしれない。僕は初めてそういう感想
を抱いた。僕はついこの間まで中学生だった池山さんの幼く可愛らしい容姿を好ましく思
いながら言った。

「僕もそんなに詳しくないけど、よかったら一緒に2ちゃんねるとかネットのこととか勉
強しようか」

精一杯優しく微笑んで。こんな気持悪いことを言ったら彼女にドン引きされて嫌われて
しまうかもしれない。でも、僕はそう口に出してしまったのだ。

 しばらくして、池山さんは僕にぺこりと頭を下げた。

「はい。部長、よろしくお願いします」



 次の日から僕は池山さんをPCの前に座らせ、自分は彼女の横に置いた丸椅子に腰掛けて
指導することにした。指導といっても池山さんの希望は抽象的でネットとか2ちゃんねる
とかに詳しくなりたいというものだった。

 正直、これが可愛らしい池山さんでなければそんな希望に応える気すらしなかったろう。
うちの部は確かに生徒会と違って非リアな部員の集まりだったけど、部員の資質はそれな
りに高かったし、数少ない新入部員でさえVBAを覚えたいとかC++やJavaをもっと自由に使
えるようになりたいとか、そういう希望者が多かった。正直に言えばうちの部のドアを叩
いて、街中のパソコン教室の初心者クラスに初めて通うお年寄りのような希望を堂々と述
べたのは、僕の知る限りでは彼女だけだった。

 周りの部員たちもてっきり飽きれて彼女に冷たくするかと危惧したのだけれど、やはり
彼らも美少女の艶やかな容姿の誘惑には勝てなかったようで、だんだんと彼女がパソ部の
部室にいることに慣れてきた部員たちは、おどおどしながらも彼女に話しかけたり彼女を
助けたがるような様子を見せ始めたのだった。

 部員たちが彼女を受け入れたのはよかったけれど、池山さんへの彼らの関心や干渉は正
直迷惑だった。あからさまに言えばこいつらの池山さんへの関心は、僕にとって二つの理
由から邪魔だった。

 一つには、彼女は優と池山君、遠山さんと広橋君の関係者だったから、僕は池山さんと
仲良くなり、さりげなく彼らの交際事情を聞きだしたかった。中学時代の切ない想い、僕
の人生で唯一の恋愛のことは僕の心の中でまだ生きていたけど、優の気持ちを今更知った
からといってそれが復活 するわけではないことは承知していた。それでも真相を知りた
いという気持ちはまだ薄れてはいなかった。

 二つ目は、すごく単純に言ってしまうと僕が池山さんに惹かれ出していたからだった。
優のことを引き摺っていたり、遠山さんに仕掛けた偽装告白と、彼女の拒否が思ったより
自分の心に打撃を与えたこととか、そいうことはこの頃にはあまり自分の心に思い浮ばな
くなっていた。つまり僕と池山さんが二人きりで過ごす時間に介入しようとする部員たち
が僕にとって邪魔だったのだ。

 そういう理由から僕は彼女を独り占めしていていたかったのだ。


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