197:名無しNIPPER[saga]
2016/04/17(日) 23:01:56.39 ID:GO5crQa4o
「ああ、ごめん」
僕はなるべく明るい声で彼女に言った。
「君はネットのこととか勉強したいと言っていたね」
僕はなるべくさわやかな微笑みになるよう努めながら、池山さんの可愛らしい顔を見
た。
「うちの部はいろんなやつがいるからね。例えば・・・・・・」
僕はすぐ近くのブースで何やら作業している一年生のディスプレイを指し示した。
「例えばこいつなんかは」
・・・・・・げ。おまえは何で堂々と校内ででエロゲしてるんだよ。ネットどころかそもそも
オンラインでさえないだろうが。僕はあわてて違うデスクのPCの方を指差した。
「違った・・・・・・こいつね」
何をしていようとエロゲのしかもムービーシーンを一心不乱に眺めているやつよりは
ましだろう。
僕が指差した部員は三年生だった。彼は、無関心を装いながら僕らの方を気にしていた
他の部員たちと異なり、僕と池山さんの方なんか気にせずに一心不乱にキーボードに向か
って何やら長文を打ち込んでいた。
「この先輩は何をされているんですか」
池山さんが聞いた。そういやこいつは何をしているんだろう。僕は、とりあえずエロゲ
のセックスシーンを彼女に見せないためにこいつを指差しただけで、こいつが何をしてい
るのかなんて考えてもいなかったのだ。あらためてこいつの画面を覗くと、そこには2ち
ゃんねるの専用ブラウザが表示されていた。
「ああ。君って2ちゃんねるって知ってる?」
僕は聞いた。
「あ、はい。たまにお兄ちゃんが見てましたから」
池山さんはすぐに答えた。そういえばこの子はブラコンなんだっけ。僕は副会長に聞い
た噂話を思い出した。
「こいつは2ちゃんねるに入り浸ってるんだよ。いつも見ているのは、アニキャラ総合っ
ていうところだけどね」
それから僕はもう少し普通の活動をしている部員を紹介した。フォトショップとかイラ
ストレーターを使用して画像製作をしているやつや、DTMソフトを使って音楽を作ってい
るやつ、HTMLやFLASHでサイト製作をしているやつとか。でも、最後に僕が池山さんにう
ちの部活動の感想を聞いた時の反応は印象的なものだった。
「で、ネット関係を勉強したい言っていってたけど」
僕は彼女に聞いた。
「うちの部員の活動を見てさ、具体的にどんなことを覚えたいの?」
「あの」
彼女は遠慮がちに言った。
正直に言うと、この時の僕は彼女に気を惹かれだしていた。あれだけ恋焦がれていて結
果的に裏切られた優とか、僕が振られたことになっている遠山さんのことが、この瞬間に
は僕の脳裏から忘れ去られているほどに。
「あたし、2ちゃんねるとかって詳しくなりたいです」
池山さんは僕の質問にそう答えた。
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