女神
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195:名無しNIPPER[saga]
2016/04/17(日) 22:59:19.98 ID:GO5crQa4o

 彼女の言葉は僕の胸に突き刺さった。確かに僕は遠山さんのことを本気で好きなったわ
けではなかった。それでも、彼女に告って彼女に振られたことは事実だったし、そのこと
が生徒会で噂になり哀れむよう視線で僕がみんなに見られていたこともまた事実だった。
そして、真実 はどうあれ、そういう状況に僕のプライドは耐えられなくなっていたのだ。

 僕はそのことについて副会長に言い訳することすらできなかった。

「何を考えているのか知らないけど、僕は部活に行かなきゃいけなくなっただけだよ」

 僕は彼女に言い訳した。

「あんたの部活ってパソ部でしょ? 部長なんかいてもいなくても同じでしょうが」

 副会長は僕の言い訳なんか頭から信じていないようだった。

「新入部員が入部したんだよ。一年生だし唯一の女の子だからあいつらには任せられない
んだ」

 僕はその新入部員が池山君の妹であることは副部長には話さなかった。僕はそれだけ言
い訳すると、副部長の追及を逃れパソ部の部室に向かったのだった。



 僕が部室に入った時、池山さんは部室で一人ぽつんと取り残されていたようだった。彼
女は落ち着かなげにあてがわれたPCの前で一人座っていた。どうやら副部長や部員たち
は情けないことに彼女を指導するどころか世間話さえすることができず、とりあえず彼女
にPCをあてがってそのまま放置したようだった。もっとも、ちらちらと彼女の方を盗み
見している部員はいたようだけど。

 本当にどうしようもないやつらだな。僕はそう思ったけど、よく考えるまでもなく広橋
君たちのようなリア充より、パソ部の部員の方がより僕と同類なのだった。それでも部長
として彼女を一人で放置する訳にはいかなかった。そして、今の僕には誰にも言えない秘
めた目的もあるのだ、

 僕は池山さんに歩み寄り声をかけた。

「池山さん、こんにちは」

 彼女はあてがわれたパソコンを操作するでもなく俯いていたけど、僕のあいさつを聞く
と慌てた様子で顔をあげた。僕の方を上目遣いに見上げた彼女の白く綺麗な顔に、僕は一
瞬ドキッとした。

「あ・・・・・・部長。こんにちは」

 緊張しているのか、か細い声で池山さんが言った。

「君は今何をしてたのかな」

 僕は彼女に話しかけながらデスクトップのディスプレイをちらっと眺めた。画面は真っ
黒で起動すらしていないようだった。

 こいつら本当に新入部員を放置したのか。僕は少し飽きれた。男の部員だったらあれほ
ど専門知識をひけらかしながら最初の面倒だけは見ていたこいつらも、リアルで美少女で
ある池山さんに話しかけて面倒を見る勇気はなかったようだった。生徒会で振られた男と
して見られていた僕も、この部では女性関係に関してはこいつらより数段上のようだった。


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