末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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97: ◆54DIlPdu2E[sage saga]
2016/02/28(日) 00:22:45.23 ID:dkyA67w70
次兄「うーん、俺の直感は案外当たっていたんでしょうね、おっさんの話によると」

次兄「この画家は天才で、この絵を描いたより後の時代にはもっと活躍した」

次兄「でもやっぱり、この絵はできるだけ忘れていたかったと思う」

次兄「……俺は画家になりたいし、そのために何でも描ける腕が欲しい」

次兄「そして、描いちゃいけないものまで描けるほどの力が欲しい、でも」

次兄「その上で、必要とあらばそれを抑える力も必要だと今は思うし」

次兄「抑える事で、絵としての完成度を上げる事が出来る、そんな力を身につけたい」

次兄「この画家もきっとそうすることで、より素晴らしい絵を残せたんだと思う」

次兄(でも趣味で描く絵はまた別の話)

次兄「だから、俺が最終的にこの絵からもらった物は前向きな気持ち」

次兄「夢を叶える意欲、そんな感じ……かな」ニヘヘ

(野獣「末妹、次兄、お前達は」)

(野獣「……お前達は……どれほど私から『ありがとう』という言葉を引き出したいのか……」)

王子「……」グス

次兄「お、おいおい、今度はあんたが泣いちゃうのか!?」

師匠「どうしたのだお前は」

末妹「菫花さん!」

王子「……はは、なんでしょうね、これは」グシュ

王子「僕は今、ものすごく嬉しいのです……」

王子「これは身勝手な思い込みですが……」

王子「君達の涙で、ようやく……僕の両親の魂は……浄化された、救われたんじゃないかな、って」

王子「君達にそんなつもりは毛頭ないとしても、結果として」

王子「これでようやく、穏やかに眠りに着けたんじゃないかって」



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