末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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71: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/01/24(日) 23:13:00.73 ID:8jRa9Vhj0
末妹「師匠様、おはようございます。菫花さんにご用ですか?」

師匠「君にも、だよ。二人に、いや、君の兄さんも入れて三人に」

末妹「?」

師匠「執事がな、今朝は朝食の準備に少しばかり時間がかかりそうで、と」

師匠「普段通りにしても早い時間ではあるがな。とにかく」

師匠「馬の世話の道具は片付いたか?」

師匠「よし、手と靴を洗って、と」ポワン

末妹「あ、水が手に、足元にも?」シャワワワ

王子「師匠の魔法ですね、これ」パシャパシャ

末妹「水が動いて、こぼれもせずに手や靴を包み込んでくるくる回ってる……」

師匠「ここから井戸へ行くより手っ取り早いからな」ポヨン

末妹「今度は熱くもないのにみるみる乾いて行く、不思議」シュゥゥ

王子「師匠の魔法は、相変わらずなんでもありですねえ」

師匠「儂には使えても、お前には教えていない魔法なぞいくらでもあるからな」

師匠「さて、屋敷に入ろうか」

末妹「後でね、馬さん……」

馬「ひん」



屋敷の中。

次兄「……で、用ってなんです、おっさん?」

師匠「君の今朝の寝癖は一段と…とんがっているだけならまだしも、捻りが加わって」

師匠「……まあよいわ。昨夜…もう明け方か、とにかく野獣に呼ばれてな、夢の中に」

次兄「野獣様が!?」

末妹(私とお別れした後ね……)

師匠「早い話、ひとつ頼まれた」

王子「頼まれた?」

師匠「皆ついておいで、詳しくはそこで話す」

末妹「……」
 


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