末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2017/03/12(日) 01:48:43.70 ID:bgu+yfMr0
師匠「そして、我々がお前達親子に何をしたか、改めて知らされたのだ」
王子「……」グス
師匠(顔は覆ったままだが……泣いているな、当然だ)
師匠「……やはり人払いをしてやる、思う存分に泣くがいい」
師匠「半径50メートル以内に足を踏み入れた人間がふと他の場所に行きたくなるような、緩く且つ強固な結界を張ってやる」
師匠「ただし2時間だけだ、いろいろな意味でそれが限界だからな?」
師匠「……それから、少し……ゆっくり、儂とお前で話をしよう」
王子「……」グシュ
師匠(頷きもしないか)
師匠「儂は結界の外にいる、結界の中は見ないぞ、一人になりたいだろう?」
師匠「では、2時間後にな……」
結界:もよんもよん……
師匠「……結界の外からは、無人の墓しか見えん」
師匠「この結界に近付いても強制的に弾かれることはないが、通常の人間は、なんとなくそれ以上入って行く気が失せてしまう」
師匠「効果は実に地味だが実は非常に強い魔力が働いている」
師匠「周囲への思わぬ影響を考えても2時間が限度なのだ」
師匠「……」
師匠「結果的に、英雄王の子孫は、英雄王とその意思を受け継ぐ魔術師ギルドの掌の上にあった」
師匠「菫花も儂の掌の上にあった……」
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