末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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472: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/03/12(日) 01:43:49.21 ID:bgu+yfMr0
王「挙句の果て、今こうして民の反乱に屈し……死を待つ身になった」

王「王妃も、同じように死んで行くのだろう?」

師匠「……ああ」

王「ふ、今ごろ泣き喚いているだろうな」

師匠「……王妃様とは、先ほど少し話をしてきた」

王「ほう?」

師匠(この男が儂をどう思っているか云々は除いて、王妃との会話を教えてやるか……)

王「……は、妃なりに覚悟はできているのか」

王「まあ元から自尊心だけは高い女だ、取り乱さないだけ立派だと褒めてやろう」

師匠「王妃様は……君の事を気遣っていたぞ」

王「……」

王「共に過ごせば愛はなくとも情は沸く、女とは大なり小なりそういう生き物だ」

王「妃も夫が俺でさえなければこんな最期は迎えなかった、哀れだとは俺も思わないわけでもない」

王「王子も……」

王「……」

王「俺の望みを、王子に伝えてはもらえないか? 遺言だ」

師匠「?」

王「憎めと、お前を不幸にしたのは父だと、父を憎めと」

王「母を憎む時もあるかもしれない、しかしそれも元はと言えば父のせいだ、だから父だけを憎めと」



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