末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2017/03/12(日) 01:37:41.94 ID:bgu+yfMr0
王「俺を王にしたのが一番の間違いだ」
師匠「……」
王「ふん、わかっている、王になってからの振る舞いを言っているとは」
王「反発する者は処分し、忠告する物は追放し、逆らわぬが無力な者から枯れるまで搾り取り、役に立つ者へ与える」
王「先王ならばこんな愚かな事は……先王の王子が生きていれば……」
王「彼等が健在だった頃と同じようにまたも比べられた」
王「俺はこう思ったものだ、山の王の国から領土を分捕ってでも来れば文句を言ってた連中も黙るだろう、と」
王「山しかないと言いながら、あの国には近年発見された鉱物資源があり」
王「我が国に仕掛けた先の戦で消耗し、十年以上経ってもまだ立ち直れていなかった」
王「しかし失敗は許されん、俺なりに慎重に準備を進めた」
王「『あの屋敷』を手に入れたのもその一環だ、機械仕掛けを新しい戦術に活かせないか、とな……」
師匠(あの屋敷と言っても、我々は今まさにその屋敷にいるのだが)
師匠「……それが血も流さずあっさりと北の大国の領土になってしまったのは、今から2年ほど前だったな」
王「ああ、またも物事は俺の思い通りにはならなかった」
王「その上、高い魔力を持つくせに腰抜けで役立たずの王子は『戦がなくてよかった』と安堵している」
王「本格的に息子に期待するのを諦めたのはその頃だ」
師匠「……」
王「ふん……何故か貴様はあれをお気に入りだったよな」
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