末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2017/02/18(土) 23:28:37.18 ID:A6bjvzRP0
王妃「そんな王家が国を支配しているのですもの」
王妃「二人とも人生で何かひとつでも思い通りにしたくて、そんな二人がこの小さな国で『一番偉い人間』だった」
王妃「そうよ、民を、国を、玩具にしていたの」
師匠「王妃様……」
王妃「その通りでしょう? だから民の怒りが今の有様を引き起こしたのでしょう?」
王妃「この期に及んで言い逃れもしなければ誰に許しを斯うつもりもないわ、結末は同じですもの」
王妃「夫も……王も、この監獄のどこかにいるのでしょう? もうずっと会っていないけれど」
王妃「それとももう死んでしまった?」
師匠「いいえ……王妃様と同じような状況におられますよ」
王妃「お前は王とも話をしたの?」
師匠「……これから伺うつもりです」
王妃「そうなの、それではしっかりと話を聞いてあげてね」
王妃「あの人はお前の事が、本当は嫌いではなかったようだから」
師匠「……っ!?」
王妃「あ、その理由までは私はわからないから、質問なんか受け付けないわ。知りたかったら本人に聞くのね」
王妃「だからそろそろお行き、役人の許可を得てはいるのだろうけど、私もこれ以上話すことはないもの」
王妃「それに少し疲れた、一人になりたい」
師匠「……王子様のことはお聞きにならないのですね」
王妃「やめて」
王妃「せっかく王子の話題が出る前に会話を打ち切ったのに」
王妃「両親の所業の巻き添えで首を撥ねられるあの子のことなど考えたくもない、思い出したくもない!」
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