末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2017/02/18(土) 23:24:42.75 ID:A6bjvzRP0
王妃「……誰? 看守ではなさそうね……では処刑の執行人かしら?」
師匠「いいえ、以前にお会いしたことがありますよ」
王妃「ああ……魔法使いね、父王の代に王宮に出入りしていた老魔術師の弟子で、王の留学先での『学友』だとか」
師匠「よく覚えておいでで」
王妃「こんな監獄に足を運んで、惨めな囚人を見物に来たの?」
師匠「先ほど、何かつぶやいておられたようですが……?」
王妃「あら、魔法使いを相手に懺悔をしろ、と」
王妃「ふふふ……心底、惨めなものね……どんな重罪人も、処刑の前に教会の司祭を寄越して貰えるでしょうに」
師匠「……ええ、私は貴女のため祈ることはできません、ただ少しの間お話し相手になれるならば、と……」
王妃「なんのつもりか知らないけれど……よくよくの暇人なの?」
王妃「でも確かに、ひととき気を紛らわすのも悪くはないかも」
王妃「それに……地獄だって今の状況に比べれば……少しはマシでしょうね、ふふ……」
師匠(少なくとも、生き延びる可能性は諦めているようだな)
師匠(彼女の記憶では、どんな『数か月』を過ごしたのやら……)
王妃「暇人の魔法使いや、私の一番上の兄……先王の第一王子がなぜ亡くなったか、知っていて?」
師匠「はい、存じております」
王妃「私は止めたのよ、こんな嵐の日に、橋を造る現場へわざわざ慰問に行くことはない、と」
王妃「でもお兄様は『こんな日だからこそ、私が直に励ましの言葉を掛けなくてはならないのだ』と」
王妃「こうも言われたわ、『父上も我々三兄弟も、幼くして母を亡くしたお前を不憫だと甘やかしすぎた』」
王妃「『今さら私にはどうもしてやれそうにないが、隣国の第二王子に嫁げば色々とお前の世界も開けるだろう』」
王妃「『私よりずっと素晴らしい、自国の民の事をよく考えておられる王子だから』って……」
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