末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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450: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/02/05(日) 21:12:11.92 ID:51bwU4QR0
王子「望まずに国の頂点に立たされた二人の……期待をかけた王子が、期待外れと来ては」

王子「人間として、八つ当たりくらいしたくもなりますよね?」

師匠「おい、菫花」

王子「ええ、その八つ当たりの対象が何より大切な国民達なんて、それは決して許せません」

王子「王としても、人間としても……それは僕も充分わかっています、230年……いえもっと前から」

師匠「……親としてだけは、少しでもまともな面もあったとか、期待していたか?」

王子「そっそんなつもりでは!!」ブンブン

王子「そんなつもりでは……いいえ……だけど……」

王子「……もしかしたら両親の事が、少しは理解できるようになるかも、とは、期待したかもしれません……」

師匠「両親について、振り切れたわけではなかったのだな」

師匠「ま、それも当然か」

王子「……おかしいですよね、今の僕は」

王子「野獣の代わりに、どこにでも行ける自由を手に入れて」

王子「血は繋がらなくとも僕には勿体ないほどの家族ができて、素晴らしい友達もできて」

王子「今までにないほど幸せなのに……まだ、過去に囚われている……なんて」

師匠「……」フゥ

師匠「……今のお前は、ただ自分の過去と上手に折り合いをつけたい、それだけなのだ」

王子「……折り合いを……?」

師匠「過去の出来事は、忘れることはできても消せはしない」
 



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