末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
1- 20
444: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/02/05(日) 17:36:05.98 ID:51bwU4QR0
師匠「魔法に取って代わって、人間は武器をもっと発達させるだろう、とも」

王子「始祖達の、悩んだ末の決断でしょうね……」

師匠「それが本当に正しかったのかどうか、儂には正直わからんが」

師匠「また脱線してしまったな……要するに、我々の生まれた時代の魔術師達も」

師匠「攻撃魔法が得意と言っても……目に見える弓を持たぬ射手、目に見える銃を持たぬ銃士、に過ぎなかった」

師匠「しかも実際は補助魔法や治癒魔法のほうが重宝された」

師匠「要は最前線で戦う兵達の支援だわな」

師匠「……王が、魔術師達を戦場に駆り出しておきながら最前線に立たせ数を減らすのを惜しんだ、とも言われたし」

師匠「当時のギルド長がそのように王と約束を交わした、とも言われたが」

師匠「儂の師匠もそのへんは教えてはくれなんだ」

師匠「なんにせよ……儂にもあまり楽しい思い出ではない」

王子「……ですよね」

師匠「ので、手短に」

師匠「この戦には、お前の父親も、母親の三人の兄達も従軍していた」

師匠「戦の後半になるにつれ、小国は優勢に傾くという戦況だったが」

師匠「第三王子、彼は優秀なれどもやや短慮なところがあって……悪く言うなら『功を焦った』」

師匠「早い話、そのために命を落とし……双子の弟を助けようとした第二王子は深手を負う」

師匠「……ほどなく山の王の国を退ける形で一年間続いた戦は終わり」

師匠「お前の父親と第一王子はほぼ無傷で王都に戻れたが、ついでに儂も」
 


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
689Res/550.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice