末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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441: ◆54DIlPdu2E[saga]
2017/02/05(日) 17:28:05.22 ID:51bwU4QR0
師匠「……そんな彼女を見て、お前の父親がつぶやいた言葉、儂は自分の耳で聞いた」

師匠「『いい気なものだ、口ばかり達者で一人では何にも出来ないお人形さんが』」

王子「……」

師匠「お前の祖父の代、儂の師匠は王城によく出入りしていて」

師匠「子供の頃からの彼等のことも知っていたし、殊のほか仲が悪かったのがお前の両親だったことも知っていたので」

師匠「儂にはこっそり教えてくれていた」

師匠「尤も、その頃はさすがにどちらも露骨に態度に出すほど幼くはない」

師匠「彼も低い声で呟いた一言が、儂の耳に入っていたとはまさか思うまい」

王子「……まさか、何か魔法を使って父の呟きを……?」

師匠「阿呆、ギルドの幹部にも囲まれた公式のお堅い場で、助手身分の魔法使いが勝手に呪文の詠唱など出来るか」

師匠「通りすがりにたまたま聞いてしまっただけだわい」

師匠「彼は何かと神経質な男ではあったが、自分より下に見ている相手に対しては、だいたい油断していたからな」

王子「……」

師匠「そろそろ、そのふたりが結婚に至った話をしようか」

師匠「……お前がよければ、の話だが?」

王子「続けて……ください」

師匠「では歴史の授業の復習」

王子「は?」
 



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