末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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◆54DIlPdu2E
[saga]
2016/11/20(日) 23:52:52.69 ID:Ubs41WGA0
師匠「どうあっても聞き分けのない奴らは、確かに力でねじ伏せ叩き潰さねばならなかったが」
師匠「英雄が魔物と渡り合える力を手に入れた主目的は、『話し合い』をするためだ」
師匠「何しろ魔物の代表という奴……お前も知っての通り、便宜上は人間達に魔王と呼ばれている奴だが」
王子「便宜上ですか」
師匠「そいつは自分が強いと認めた相手でなければ話すら聞かんという価値観だったとか」
師匠「裏を返せば強い奴なら話を聞いてやると……そして見事に魔王と英雄は話し合うことになり」
師匠「魔物と人間は完全に棲み分けることで落ち着いた」
師匠「詳細は省くが、魔物達は自分達が安定して暮らすには充分過ぎる場所で今も生活しているはずだ」
王子「え」
王子「……始祖が結局は魔王はじめ半数以上の魔物を滅ぼしたのではなかったのですか?」
師匠「それさえも都合よく作り変えられた歴史よ」
師匠「逆に魔物の世界では、人間に勝利はしたが地表は棲み辛い土地だとわかった、そんな感じで言い伝えられているだろう」
王子「魔物の世界が、今この時にも存在している……」
師匠「お互い行き来する方法を敢えて破棄したから、あちらからこちらに来ることもなければこちらからあちらへ行くこともない」
師匠「……未来永劫そうだとは誰も保障できんがな」ボソ
王子「」
師匠「独り言だから聞き流せ」
師匠「とにかく英雄の活躍で、彼の故郷含むこの大陸のみならず、世界中に平和は訪れた」
師匠「英雄は周囲から国ひとつ治める王となることを強く望まれ、彼もそれを承諾した」
王子「そのくだりは僕が教わった通りですね」
師匠「……しかし英雄は信心深かった」
師匠「この大陸でもっとも力を持つ教会の熱心な信者であったが故に、魔物の力を自分に取り込んだことを後悔していた」
王子「……で、でもそれはあくまで手段に過ぎないでしょう、人間の世界が壊されてしまえば教会も信仰も成り立たない」
師匠「と、皆も説得したが、それでも彼は自分が手に入れた力の恐ろしさを知るが故に……」
王子「手に入れた力の、恐ろしさ?」
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