末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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398: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/11/20(日) 23:51:07.60 ID:Ubs41WGA0
王子「……僕が習った『王家のはじまり』は、都合良く書き換えられたものだった、そうでしょう?」

王子「当然、国民達に知らされた歴史も」

師匠「お前どころか、お前の両親も儂も生まれる前の話ではないか」

師匠「……そこから知りたいならざっくりと話してやるがな、儂の知る範囲で」

王子「お願いします」

師匠「そうだな、まずは……もともと小国は、周辺の国とあまり変わらない大きさだったのは知っているか?」

王子「え、知りませんでした」

師匠「400年ほど前……いや『現在から』600年ほど前、王家の始祖の『英雄』が王になる前の話だ」

師匠「で、その英雄、彼が人間に害をなす魔物から土地や人々を守った……それは嘘ではない」

師匠「そもそも、なぜ魔物と人間の間に争いが起こったかというと……」

師匠「……菫花、今のこの時代の常識は全て、お前が育った230年前から常識だったと思うか?」

王子「はい?」

王子「……いいえ、その……この時代には当時存在しなかったものがたくさんありますし」

王子「人々の生活もずいぶん変わりましたから」

師匠「だよな」

師匠「逆に今は存在が失われたものもあるが、それはさておき」

師匠「魔物の中でも知性があり文化を持つ種族」

師匠「600年前の彼等の『常識』の中には、後の世で言う『迷信』と呼ばれる考え方があった、人間がそうであったのと同じだ」

師匠「簡単に言うと、地表の世界を一度全て滅ぼせば太陽も滅び夜の世界になると、そう思ったらしく」

師匠「……太陽が滅びようものならこの星は『夜になる』どころでは済まされないし」

師匠「魔物でさえ半分くらいの種族は死に絶えるだろう」

師匠「それ以前に、この星の地表、薄皮一枚の上で何が起ころうが太陽はお構いなしだがな」

師匠「ま、自分達が住みやすい土地をもっと増やしたいために、人間に攻撃を仕掛けてきたわけだ」

師匠「儂のような魔術師達は当時から存在してはいたが、上位の……知性を持ち魔法を駆使する種族にはとても敵わず」

師匠「そこで英雄はかなり無茶な方法を選んだわけさ」

王子「……魔物達を倒すためですね」
 


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