末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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328: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/08/27(土) 23:53:08.21 ID:zlIPDL7j0
幼馴染男「君んちの近所には憲兵隊の詰所もあるし」

幼馴染男「それに悪事を働こうって人間なら、あからさまに怪しい姿で通行人に道を聞くような真似はしないよ」

長姉「そ、それはそうかもしれないけど……」

幼馴染男「……それなりに財産持ちの父が亡くなったら、いろんな人が遺産目当てで現れて」

幼馴染男「借金が発覚したら、今度は別のいろんな人が現れて」

幼馴染男「先生に出会って何かと救われたけど、学者の世界も思っていた以上に……世知辛くてね」

幼馴染男「ぬくぬく育った子供のころとは違って、世の中にはいろんな人間がいるのを知ってからは」

幼馴染男「……なんというか、本当に勘ではあるけど」

幼馴染男「少なくとも『この人は悪い人じゃない』という印象は外れたことがないよ」

長姉「…………」

幼馴染男「……ってね、ごめん、君に責められて初めて君が怖い思いをしたと気付いた」

幼馴染男「言い訳だね、本当に……何事もなくてよかった、結果オーライに過ぎないよね、ごめん」

長姉「……じゃない」ボソ

幼馴染男「ん?」

長姉「バカね、真面目に謝ることないじゃない」

長姉「そうよ……あんたが桁違いのお人好しなんて前から知ってたもの」
 


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