末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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159:おっとage忘れ[saga]
2016/04/24(日) 01:14:48.57 ID:cM7V2mMO0
次兄「このお屋敷が絡む話ではあるけど」

次兄「本で読んだ時はまだ野獣様に直接関わりがあるとは思っていなかったからね」

次兄「野獣様の正体を知るまでは……」

次兄「……夢の世界で会った時にタイミングを見て話そうとは思っていたけど、なんとなく話しそびれて」

次兄「そんなに悩んでいたのなら、早くあの手記の存在を教えてあげればよかった……」

師匠「気にせんでいい、昨夜、儂から夢の中で教えてやったからな」

師匠「あいつとは取り敢えず話しておきたい事が沢山あったので、その話は最後になってしまったが」

師匠「安心しておったわ、あいつの人生では40年近く胸に刺さっていた棘が取れた、とな」

末妹「野獣様は優しいお方、責任を感じておられたのでしょうね……」

次兄「でも……子孫が偶然見つけた手記とやらは、信用に値するとおっさんは思うの?」

師匠「ああ、細部を見るに信憑性は高い」

師匠「小国の当時を生きた者でなければ知り得ない情報が、ごく自然に当り前のように盛り込まれていた」

師匠「学術的には貴重な資料になるだろうが、その価値を理解できる現代の学者も今のところ殆どいなさそうだ」

末妹「菫花様にもそのお話しを?」

師匠「ああ、あいつが目を覚まし、儂とまともに会話できる程度に回復していたら話してやるさ」

次兄「……学術的な価値か」

師匠「正直、一般人には悪い印象しかなく、それ故に経済的には価値のないこの屋敷に」

師匠「そっちの方面では価値を見出す者が、このさき現れないとは言い切れないのだ、そう……明日にでもな」

師匠「学者という人種は物好きだからの」

次兄「そうなったら、ここを直接調べたい人も……」

師匠「ははは、儂の所有物になった時点で、曲がりなりにも戸籍を持った人間が暮らす一般家屋よ」

師匠「見学ぐらいさせてやるわ、但し、住民の生活を脅かさない範囲でな」

次兄「おっさん……」

師匠「……善意の一般人として、学問の発展には可能な範囲で協力もするが」

師匠「守るべきは守らんでどうする、それがこの時代での儂の存在意義と言うに」



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