末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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158: ◆54DIlPdu2E[sage saga]
2016/04/24(日) 01:10:55.70 ID:cM7V2mMO0
長兄「そう言えば、次兄」

次兄「何?」

長兄「父さんがこのあいだ教会主催の行事に出席したんだけど、そこで図書館長さんに話しかけられて」

長兄「図書館に入ってからこの4年間で二人しか借りていない本を、王都の歴史学者が探していたそうだ」

長兄「なんでも、本屋からちっとも売れない本を買い取った中の一冊で」

長兄「まさかそれが、歴史学者の研究対象になるようなものとは館長さんもまるで予想できなかったらしい」

次兄「……?」ハテ

長兄「それがな、その本を最近……一人目から3年半ぶりらしいが……借りた二人目がお前だって言うので」

長兄「『どんなお子さん』か関心を持ったみたいだ」

長兄「埋もれた歴史に興味があるのなら将来そちらの方面に進んでは?……とか、ね」

長兄「父さんは普段のお前をありのまま話すのもどうかと思って、その場は適度かつ無難に話を合わせておいたようだが」

次兄「お父様の判断は大人として正しくってよ」トホホ

次兄「……うん、その本が何の本かはわかる、覚えている」

次兄「俺が先月借りた中の一冊、図書館が数年前に本屋から買い取るも、殆ど借りる人もおらず新品同様の本」

次兄「230年前に滅びた小国の機械オタ……機械いじりの好きな伯爵の手記、だろ?」

長兄「そうだよ、その学者はあの国の歴史についての通説に疑問を持ったとかで」

長兄「あちこちで資料になるものを探しているらしい」

次兄「……」

次兄(確か……なんちゃって貴族として、菫花さんのなんちゃって父上としておっさんが屋敷に来た次の日)

次兄(俺達に事情を話して謝ってくれた後、だっけ)

……

〜〜次兄の回想……野獣の屋敷……〜〜

次兄「……そうか、野獣様は、菫花さんもだけど、自分のせいで機械マニア伯爵が処刑されたと思っていたのか」

末妹「私はその伯爵様のお話、初めて聞いたわ」
 


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