末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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160: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/04/24(日) 02:10:32.11 ID:cM7V2mMO0
師匠「……それに、今までは敢えて意図的にそうしていた部分が大きいとは言え」

師匠「あの小国も胡散臭い伝承から解放され、少しは正確な歴史が知れても良いのかもな、もう、な」

次兄「生き証人のおっさんが匿名で論文でも発表すれば、すぐのような気もしますが」

師匠「過去の歴史を掘り起こすのは後世の人間の仕事だ、と儂は思う」

師匠「苦労して掘り起こされ、世に広まった『それ』が」

師匠「どのくらい正確か、どのくらい間違っているか、ニヤニヤしつつこっそり眺めてやるのが過去から来た人間の役目よ」

次兄「あくまでおっさん個人としての役目にしか思えないけど」

師匠「……それを悪用して、この時代を不幸に陥れかねん存在が現れたら、そいつを止める努力はするぞ?」

師匠「ま、実のところ悪用できるほどの何かは出てこないだろうが」

師匠「さっきも言ったが、儂はこの屋敷とここに暮らす者達を守り抜く」

師匠「……そして、ここを訪れる親しき者達も守りたいと今は思う」

末妹「師匠様」

次兄「おっさん、俺達がここに来ることを認めてくれるの?」

師匠「世間的にはともかく、儂はここの番人なのだ、真の主ではない」

師匠「『主人』の友を番人として歓迎するさ」

師匠「あ、ちなみにこの部屋は魔法で遮断しているから、野獣も様子を窺うことはできんからな?」

師匠「君らも今の会話は秘密にしておくように」シー

末妹「どうして秘密に?」

次兄「うーん、弟子に対するお師匠としてのプライドと言うか、野獣様に対するツンとしてのキャラを貫きたいと言うか?」

末妹「…………よくわからないわ、お兄ちゃん」

次兄「うむ、お前はそれで良い」

次兄「とにかく態度や性格はどうあれ、おっさんが野獣様達を守ってくれるのは間違いないよ」

次兄「それどころか現状では世界最強の守護者だ」

末妹「そうね、本当によかった……本当に……」

……



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