末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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125: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/03/15(火) 23:15:19.89 ID:PZ9SW6HQ0
(師匠「……なんにせよ、乗馬教師のアドバイスも時には必要かな?」)

(野獣「末妹ですね」)

(師匠「鏡越しの会話、か」)

(師匠「それで思い出したが、お前が鏡の魔法で使った合言葉」)

(野獣「え?」)

(師匠「『かぐわしき小さな赤いバラ、陽だまりの庭に踊るそよ風、小雀のさえずりに耳を傾けまどろむひととき』」)

(野獣「だだだだだだ、誰から聞いて」)

(野獣「あ、そう言えば私が鏡を使う様子も……何度もご覧になっておられたのでしたっけ……」)

(師匠「第一印象からお前らしいとは思ったが」)

(師匠「……お前の掌で愛らしくさえずる小さな雀、お前の屋敷の庭に踊る心地よいそよ風」)

(師匠「お前の心に花開いた甘い芳香の小さな赤いバラ」)

(野獣「 」)

(師匠「今になって考えるに……お前にとってのあの少女を文学的というか詩的に形容しt」)

(野獣「わああああああああああああああああ!?!?!?」アセアセ)

(師匠「図星だな」)

(師匠「今さら照れることか」)

(野獣「……だから本当は次兄にも教えたくなかったのですよ……」ボソ)

(師匠「ん、あの子に話したのか。気付かれたか?」)

(野獣「……乙女チックなカフェのメニューみたい、とは言われましたが」)

(師匠「妹への口止めは?」)

(野獣「え? していませんよ、よけい怪しまれるじゃないですか」)

(師匠「ふむ、意外と妙なところでだけ鋭い勘の働く少年だ、少し考えれば正解に辿り着きそうな」)

(野獣「ちょ」)

(野獣「追い討ちかけないでください、ああ、ドキドキしてきた……」)

(師匠「それくらいなんだ、お前の情けない所はすでに散々さらけ出しているではないか」)

(師匠「お前の小心も簡単には治らんようだな……」)

……



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