末妹「赤いバラの花が一輪ほしいわ、お父さん」(最終章と後日譚)
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109: ◆54DIlPdu2E[saga]
2016/03/06(日) 02:36:32.31 ID:eEa0kNBX0
料理長「今回も、メイドちゃんも庭師君も……執事さんも手伝ってくれました」

次兄「!! 執事さんっ、主にどのパートを!?」

執事「……出来上がってから、わたくし一人で缶に詰める作業を。その際に手袋はしましたよ」

師匠「狼の前足に合う特注品の手袋な」

次兄「では、では満遍なく執事さんの味が行き渡っているのですねぇぇぇぇぇ!?」

次兄「ああああ、家族で分け合うのが惜しいぃぃ!!」ジタバタ

末妹「お、お兄ちゃん、私のぶんなら分けてあげるから……ね?」

執事「……」ハァ

執事(改めて、描いてくださった絵のお礼を述べるつもりだったが……その気が失せてきた……)

王子「……えーと、あのですね、僕からも何か……君達に感謝の意味も込めて贈り物ができればと……」スッ

メイド「奇麗なガラス瓶に入っていますねー」

末妹「あら、これは……紅茶?」

王子「ええ、夢の中で野獣と相談しながら、数種類を調合したものです」

王子「料理長さんの焼き菓子に最適なお茶ができれば、と思って」

王子「お気に召してくれたら良いのですが……」

末妹「素敵、きっとこのお菓子に合うわ、ありがとうございます菫花さん!!」

次兄「野獣様のオリジナルレシピによる調合ですと!?」

王子「う、うん、僕の意見も取り入れてくれたけど」

次兄「野獣様の紅茶、執事さんが手をかけたお菓子、これでお茶会をするという事は……つまり」

次兄「つまり、野獣様と執事さんの共同作業の結晶ではありませんか!?」ドドォォォォン

王子「あの」

執事「いや、わたくしは詰めただけで、本当に」

末妹「お兄ちゃん、本当に何を言っているのか私わからない」

次兄「ありがとうありがとう! 心奮い立つ、じゃなかった心温まるお土産に感動しました!!」

庭師「あっ次兄様、鼻血が」

師匠「…………何が何だか」

師匠「とりあえずしんみりした空気は払拭されたから、まあ良し、か……」

……



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