【安価・コンマ】ネオサイタマでニンジャライフ サイゴン!その19【忍殺】
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826: ◆WolEwA02oI[saga]
2016/11/25(金) 16:52:56.18 ID:2yvBrlc30
「信じられんな」

ニンジャスレイヤーが反射的に即答する。

「オヌシのザイバツに対する忠誠心は並大抵ではない。罠と見る」

ニンジャスレイヤーの語気には強い敵意が含まれている。仮にここが絵馴染でなく、3人もの人質を取られていなければすぐに殴りかかっていただろう。

「だよねー・・・」

チガサキは頭を掻きながら砕けた口調で答える。最初から分かり切っていたようだ。

「でも、最終的にそれを信じてもらうようにするんだけどね」

ニンジャスレイヤーの方を見据えながらそう話す。そこにニンジャはいなかった。1人の人間がいた。

「まず、この場でのこの発言自体が非常にリスクの高いものだとわかってほしい。ザイバツ構成員なら気が狂っても 裏切る なんて口にできないから」

「自分は立場上盗聴器を外せるからこんなことが言えるわけで。尾行されていないとも言い切れないし。まぁ疑われるような行動はほとんどしてないから可能性は低いけど」

「でもこれだけは言っておく。 自分はザイバツを裏切る。獅子身中の虫となり然るべき時にザイバツを滅ぼす」

「まぁ ザイバツの忠犬 のムーホン発言を今から受け入れてもらうわけなんだけどね・・・」

チガサキはそう言いながら懐をあさり1冊の書類を取り出す。そしてそれをナンシー・リーの方へと放り投げるとザクロにサケを代わりを要求した。

「これはそこの・・・守護天使=サンが見たほうがいいんじゃないかな。小細工はしていないから安心してみてほしい」

ナンシーはニンジャスレイヤーに目配せをする。ニンジャスレイヤーは頷いた。

ナンシーは何も言わずに書類の束を読み始めるが・・・すぐに驚愕の表情で立ち上がる。

「これって・・・!」

「なんだったのだ。ナンシー=サン」

ニンジャスレイヤーが発言を促す。チガサキはどっかりと椅子に腰かけ、さらにサケを煽っている。

「ザイバツ・・・ネオサイタマ拠点の大まかな位置情報と構成員名簿よ」

ニンジャスレイヤーは驚愕の表情でチガサキを見る。ソウカイヤより遥かに狡猾で用心深いザイバツの位置情報を構成員名簿を売る。もはや裏切り以外の何物でもない。

「それ は自分が用意できるものの中でも 最も浅い もの。欲しければもっと深い情報も口にできる」

「言っただろ? ザイバツを滅ぼす って。でも一人じゃ厳しいんだ。だから味方が欲しい。同じ志を持つ見方が」

チガサキは静かにニンジャスレイヤーを見据える。瞳の遥か奥にある強き意思を宿して。

「にわかには信じられん。ここまでの心変わりなど」

ニンジャスレイヤーの言葉にわずかな迷いが生じる。ザイバツ相手に戦い続けたからこそ情報の取得がどれほど困難か身に染みているからだ。

チガサキはいつの間にか指に挟んだ新聞の記事を差し出す。

ニンジャスレイヤーはそれを受け取り、僅かな文章を黙読する。

なんてことはない。数年前キョートアッパーガイオンで観光客一家4人が何者かに襲撃され3名が死亡。1名が行方不明というありきたりな内容であった。

だがその犠牲者と行方不明者の名に心当たりがある。特に苗字の チガサキ に。ニンジャスレイヤーは視線を向ける。インクストーン・・・チガサキ・コルトに。

「その記事の通り。数年前自分含む一家はキョートアッパーガイオンにて何者かに襲われ、自分を残して全滅。ファック&サヨナラってやつさ」

チガサキは最早濃度など構わずサケを煽る。モータルでは既に泥酔しているだろう。

「それで 生き残らされた 自分はニンジャソウルがいつの間にか憑依。それを見つけ、保護してくれたザイバツに加入という訳さ」

「ならば猶更理解ができん。救って――――

ニンジャスレイヤーの言葉を遮りチガサキはサケを煽り、まくしたてる。

「そうさ。救ってくれたから忠義を示した。救ってくれたと思っていたから」

「つい最近その時のことを思い出す機会があってさ。よくよく記憶を精査したんだ。そしたらさ・・・思いがけない再発見をしたんだ」

「あの忌々しいクソッタレによもや ザイバツ・シャドーギルドの正規構成員にのみ許されるエンブレム があるなんてな」

チガサキは大声で笑い始めた。失望、絶望という負の感情を多分に含んだ笑いで。

「何度も何度も再確認したさ。でも結果は変わらない。当時の自分が血眼になって刻み付けた特徴は揺らぐことはなかった」

「自分はピエロだった!両親と妹の仇にせっせと尽くしていたんだ!これが笑わずにいられるか!」

チガサキは叫びながらグラスをニンジャ握力で握り潰す。掌が傷つき出血するが意にも介さない。



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