魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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410: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/08/12(金) 09:37:10.94 ID:0zkY4LHl0

ふと魔王が上方をみやると、宮殿が浮いたまま残されていた。

魔王達のいる土地よりもずいぶんと高い場所
そこにいまだ大きい面積を残した大地があり、まるで何かあったことに気付いていないかのようにそびえたったまま残されていたのだ。


魔王「ほう。……あの城はよほど広く、根を張っていたらしいな。……ふむ」

亀姫「陛下、どうかなさいましたの?」

魔王「いや。天の… 神の在り方の根深さを、少し考えていた」

亀姫「…?」

魔王「根ばかり広げて…花を咲かせることを忘れては、惹き寄せられるものも惹き寄せられまい」

亀姫「花を……?」


魔王は掌にとりわけ大きな魔力をためると、上空の宮殿に向かって放った。

ボフ!!という、重さを感じる着弾音。
下から打ち上げられた土地が、胞子を吹きだす植物のように塊状の白煙を吹きだしてきのこ雲となり、爆ぜた。


亀姫「……確かに、花開くさまに見えなくはないですが…あれで何かを惹き寄せられるのですの?」

魔王「花開く前に枯れたのだ、もはやだれも寄り付かぬまい――」

亀姫「ではいったい、あれは…」

魔王「……意味などないさ」



霧散して消える花など、遠き日の隣人へのはなむけとは呼べないだろうから。




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