魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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411: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/08/12(金) 09:38:46.79 ID:0zkY4LHl0

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魔国――



魔王達が地に降りたつまで、二刻程もかかっただろうか。
ともあれ神界を無事に落とし切り、この戦を見事に乗り切ったのだ。

魔の土地を踏んだ魔物たちは、興奮冷めやらぬ様子でめいめいに騒ぎ始めている。
ようやく緊張がほどけたのだろう、魔王がいまだ傍にいるというのに 皆、落ち着きがない。


着地したのは魔王殿よりもやや離れた場所で、一同はそれぞれに歩を進めた。
魔族の中には、そのまま自らの領地へ戻るものもいる。
戦の終わりとは思えない散会の仕方に、近衛は苦笑しながら魔王の後ろを歩いた。

王殿の手前の庭にまでつくと、王の帰殿を待つ家臣の姿があった。


竜王「――お帰りを、お待ちもうしていた」

魔王「クク。お前はもう、俺の家臣ではないと言ったのだが」

竜王「知らぬようなら覚えてくだされ―― 主君に否定されたとて消えないものが、“真の忠義”というものじゃと」

魔王「―――クク。昔から、お前は説教くさくてたまらないな」

竜王「…………」


竜王の横を素通りする魔王の口許に、微笑。
頭を下げたままの竜王からは、安堵したかのような小さな溜息。

その様子を見ていた近衛と亀姫は、お互いに顔を見合わせて小さく笑った。
獣王は大きく伸びをしたかと思うと、ゴロリと転がって地に背をこすりつけていた。


魔王(………さて)




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