魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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304: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/04/23(土) 02:18:15.88 ID:Ss644WqA0

亀姫「この神界に、戦神なんてものがいるとは思いませんでしたわ」

神従者「…普段は神の補佐をしているだけの、目立たぬ者です」

近衛「補佐…側近のようなものでしょうか?」

神従者「そうですね。護衛であり、側近であり…そして神に万一があれば、その者が一時的な後継ともなります」

亀姫「では、その方は偽者といっても“次代の継承者”ですのね」

神従者「いいえ、代理となるだけ。……神に万一があった時には子を宿し、その子を守りながら、神に育てるのです」

近衛「……戦神とは、女性神なのですか」

神従者「はい。その役割から、ワタシ共は彼女を戦神妃と呼んでいますが――


亀姫「! 止まって、静かに!!」


突然、亀姫の制止の声が響く。
急停止した足は少し滑り、段を踏み外すぎりぎりの所で止まった。崩れたバランスを取るために神従者を降ろすと、近衛も気配を探った。

耳が痛いほどの静寂の中、上方から気が流れ込んでくるのを感じる。


近衛(……浄気が流れてきた? 亀姫様は、この僅かな気を察知したのだろうか)

亀姫「……獣達が走っているようですわ。この浄気といい……どうしたのかしら、獣王は陛下とご一緒ではなかったの?」

近衛「獣…?」




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