魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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293: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/04/22(金) 00:46:19.83 ID:XCb4AxA00

獣王「……ここを開けれバ、それだけデ死ぬ仲間がでル…。手を出せないどころか、足手まといにもなれズ、戦えないまま死ヌ…」


獣王「その無念ヲ見届けながらでハ、オレが冷静に戦えなイ」

魔王「……なるほど。ではここに残ったのは、扉を開けても生きられる者たちか」


獣王「ここに残ったのハ…“例え死を前にしても、強さを示せる者”ダ」


獣達は、身体を低くして唸り続けている。

例え即死しても、それを誇りに代えられる者。
――臆して逃げ帰る姿を見せるより、最期まで強さに生きた姿を見せる者。
濁りも迷いもない瞳は、確かに自らの生き方に ―死に方に― 疑念を持つことはないのだろう。


魔王「……先ほどの、銀色のは何者だ?」

獣王「妻。ここに残れない者ヲ鍛えなおす為ニ。魔国に残る仔らに強さを教える為ニ、離れタ」

魔王「……族長を譲ったのは、おまえも死を覚悟したからか? 最初から死ぬつもりのやつなど、この先には――」

獣王「違ウ」

魔王「…?」





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