魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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292: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/04/22(金) 00:39:44.62 ID:XCb4AxA00

獣王は一声唸ると、僅かに頭を垂れた。
それから猫さながらのしなやかな仕草で、背後にいた一回り小さい銀色の獣に並ぶ。

獣王がその首に自らの首を沿わせると、
銀色の獣も同じように獣王の首にすりあわせる
ぺたりと座り込んだ銀色の獣の周囲を、身体を擦り付けながら一周。
それからもう一度首を絡めあわせると…今度は、獣王が座った。

直後、銀色の獣は大きく吼え―― 他の獣も揃い、吠え出した。

ァオーーーーン…
ワオー… ワオーーーン…!!


魔王「……?」


獣王が、座ったままで短く吼える。
すると銀色の獣を筆頭として、獣達は吼えながら跳ね飛んで階下へと消えていった。
数匹の体躯の大きな獣だけが残り、黙したまま扉を見据えている。


魔王「…一体、何をした?」

獣王「族長ノ位を譲っタ。あのままでハ、戦えなかっタ」

魔王「ふむ…? ここまでの間、どいつも命令に忠実で勇猛に戦っていた。……お前の足手まといになるとも思わなかったが」

獣王「あア。ならなイだろウ」

魔王「では、“戦えなかった”というのはどういう意味だ?」




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