魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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280: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/04/22(金) 00:11:57.28 ID:XCb4AxA00

近衛は屋根の上を何度か踏み比べて歩き、足元の反響を確かめる。
それから屋根の中腹のあたりで、立ち止まった。


近衛「亀姫、こちらへ。本来ならば、離れて…と言うべきなのでしょうが、少し揺れるでしょうから。…自分にしっかりとしがみついていて下さい」

亀姫「え、ええ。滑り落ちては元も子もありませんものね」

近衛「この屋根、さすがに一撃では厳しいです。三撃は行きますよ……――っ、はぁぁぁっ!!!!」


ダガァァァァン!! がらららっ…
ドカァッ!!! バキバキバキ………
ベキャキャキャキャ……!!!


亀姫「まぁ…。細腕の割りに、意外に力もありますのね」

近衛「刀だったらまず無理です…。このナイフの特徴ゆえですよ」

亀姫「切り裂くことも、穿つことも出来るなんて…剣というのは便利ですわね」

近衛「普通の剣がどうかまでは、保障しませんよ。さて、中の様子は…」


身体ひとつ分ほどの小さな穴ができた。
中を覗き込むと、塔の中は不思議な深い空洞であった。
長い塔の内部は吹き抜けになっており、ちょうど半円の分だけに床がある。
吹き抜けを飛んで階を移動する設計なのだろう。




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