魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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228: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2016/01/20(水) 05:35:00.78 ID:/1IMYSK40

滅ぼされそうな世界
追い詰められた自分

刺された腹から滲む血
行く手に現れた、数匹のおかしなイキモノ


誰かから与えられた大きな剣はあったが、そんなものがあったって目の前の化け物は倒せない。
自分の習っていた“対人用の護衛術”が何の役に立つというのか。

振るえない。
握り締めたナイフの感触はそのままだけれど、その刃は何十倍もの大きさになっている。こんなものを扱ったことは無い。


この剣を授けたのが神ならば、神なんて信じない。
神になど祈れない。
だけど、求めたい。助けを−−


もっと、確実な。この世界と自分たちを救ってくれる、強い力を。


街の炎も、流れて衣服に染み込んだ血も、赤黒かった。
黒くて黒くて、目の前も真っ暗になっていくような気がしていた。
そんな時に、それよりも黒い影が現れて、こう言った。


「……探したぞ。世界一の、不幸者」


望んでいた大きな力と救いは、魔王によってもたらされた。





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