魔王「死ぬまで、お前を離さない」 天使「やめ、て」
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163: ◆OkIOr5cb.o[saga]
2015/12/14(月) 10:19:21.74 ID:0t/Lxfak0

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翌日・夜
本殿中央・奥殿(魔王の社殿)――


この夜が明ければ、戦争が始まる。
遠方の領地に住むものの多くは、今宵のうちにこの魔王殿に集結していた。

亀姫はこの二日、王殿に泊まり配下の者に仕度を代わらせている。
元より、亀姫は武器などを使う事はない。仕度といえば気を落ち着かせることくらいなのだ。

だけれどそう遠くない場所にいる主を思うと、気はやすまるどころか乱れるばかり。
今朝も、魔王に朝餉の誘いを出したが“天使をご鑑賞なさっておられる”という無慈悲な使いの報告に肩を落としたばかりだ。

気晴らしに昼は出かけたものの、さらに夕餉でも同じような報せのやりとりがあった。
戦争の前に、ほんの少しばかりの主との“面会”を期待していた亀姫は、落胆を隠せない。


亀姫(天使のための、時間。それが妬ましい)

亀姫(だけれど、天使のための戦争のおかげで… 今は、陛下と同じ王殿に居られるのですわ)




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